換気サポートの再考 – 常に圧力は必要なのか?

換気サポートの再考 – 常に圧力は必要なのか? 

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者さんは頻繁に呼吸困難で病院へ運ばれ、呼吸療法士は非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)で対応します。これは呼吸困難で病院に運ばれた患者さんに良く見られる対応です。高炭酸ガス血症の患者さんに対してNPPVは一般的に行われる治療方法です。人工呼吸器に関連するリスクが軽減され、患者さんへの体の負担も少ないです。[1]しかし、NPPVは、挿管よりは望ましいかもしれませんが、全ての患者さんに適している治療ではありません。 

マスクのフィッティングを妨げる髭、誤嚥の恐れのある吐き気、不安症やマスク装着の不快感など、NPPVは全ての患者さんに適している訳ではありません。NPPV治療失敗の12-33%はマスク着用の不快感によるもので、30-50%の患者さんは治療に耐えられないのです。[2] マスク着用の際の圧迫感、不快感、コミュニケーションの難しさ、経口での水分補給や薬の服用などの問題は、圧を得るたに必要なメカニズムが根底としてあります。では、自発呼吸の患者さんで肺胞換気を行うためには、圧力が必要なのでしょうか? 

オープンシステムでの換気補助 

基本をおさらいしましょう。 

肺胞換気量= (1回換気量 — 死腔) x 呼吸数 

換気を行うために、NPPVは上記の方程式の1回換気量に最も大きな影響を与えます。[1] 装置は1回換気量を供給することで換気を確保し、これは陽圧によって達成されます。過剰に圧力をかけるリスクがあるため、医師は低い圧力から始めて、患者さんの状態に合わせて調節します。 

しかしながら、他の項目に影響を与えることで、肺胞換気量を得ることも可能です。それは、死腔です。 

肺胞換気量= (1回換気量 — 死腔) x 呼吸数 

High Velocity Therapyは上気道の死腔を瞬時に洗い出すことで、肺胞換気量を増やすメカニズムです。[3,4]NPPVとは違い、High Velocity Therapyは、オープンシステムのデ・エスカレーション治療です。高流速にした場合でも、患者さんを早く、安全に安定させることができます。医師は、患者さんの状態に合わせて段階的に調整することができます。 

High Velocity Therapy使用による挿管のリスクはありません 

Doshi氏らが実施したランダム化臨床試験では、High Velocity Therapyは挿管リスクの観点から、NPPV と同等の結果をもたらすことが示されました。[5] この研究は、未分化の呼吸困難を訴えて救急外来を受診した成人を対象に、Hight Velocity Therapy群とNPPV群に無作為に分別し、72時間経過を観察したものです。血中の CO2を取り除くことが換気の成功を示す重要な指標であり、図1はHigh Velocity Therapyと NPPVの比較を示しています。 

図1 CO2を効果的に削減するHi-VNIテクノロジー

CO2 の削減効果については、High Velocity Therapyと NPPVの間に有意な差はなく、どちらも時間の経過とともにCO2が大幅に減少していることがわかります。つまり、High Velocity Therapyは、高炭酸ガス血症や低酸素血症を含む未分化の呼吸困難状態にある患者さんに換気サポートを行う上で、NPPVに代わる有用な手段となります。 

このように、圧をかけずに肺胞換気量を得ることができるかという質問に対する答えは、「はい」です。それがHigh Velocity Therapyです。 

High Velocity Therapyは、医療従事者の方々から高く評価されています 

この2つの治療方法の違いは、High Velocity Therapyは、Hi-VNI® テクノロジーによるMask-Freeのインターフェースを介して行うため、多くの患者さんがNPPVで感じる不快感を軽減することができます。患者さんは、飲食、会話、経口薬の服用が可能です。臨床医の方々は、NPPVと比較して、High Velocity Therapyの方が患者さんの反応や快適性が高いと評価しています。[5] 

当社の営業、クリニカルチームがVapotherm High Velocity Therapyを使用した患者さんの治療向上に貢献します。

REFERENCES
[1] Mehta, Sangeeta and Nicholas S. Hill. Noninvasive Ventilation. American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine 163(2). (2001) https://doi.org/10.1164/ajrccm.163.2.9906116
[2] Carron M. et al. Complications of non-invasive ventilation techniques: a comprehensive qualitative review of randomized trials. British Journal of Anaesthesia. 110(6):896-914. (2013) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23562934
[3] Dysart K, Miller T, Wolfson M, Shaffer T. Research in high flow therapy: Mechanisms of action. Respiratory Medicine. 2009; 103: 1400-05
[4] Miller TL, Saberi B, Saberi S (2016) Computational Fluid Dynamics Modeling of Extrathoracic Airway Flush: Evaluation of High Flow Nasal Cannula Design Elements. J Pulm Respir Med 6:376. doi: 10.4172/2161-105X.1000376
[5] Doshi, Pratik et al. High-Velocity Nasal Insufflation in the Treatment of Respiratory Failure: A Randomized Clinical Trial. Annals of Emergency Medicine, 2018. Published online ahead of print. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29310868